IKS札幌インターナショナルスクール

キャリア教育、特別活動

IKSスクールの「キャリア教育」

情報化・グローバル化が進む中、「2030年頃には労働人口の約49%が就いている職業は人工知能やロボットなどで代替可能と推計(野村総合研究所)」されています。

昨今、社会では「官」と「民」、大学や大学院などの教育機関では「文系」と「理系」という垣根が無くなってきており、今後は、ますます多角的、多面的な考え方、総合的な判断力、コミュニケーション能力が重要視されてくると思われます。IKSスクールでは、設立当初から

「世界に羽ばたく子ども達。時代に影響されるのではなく、どんな時代にも社会に、そして人々に良い影響を与える子ども達を育てたい!」

という教育を目指し、全教科教育に力を入れ、総合的な能力を育むことにチャレンジしてきました。また、「人生100年時代」を見据えて

☆「全てのスクール生が子どもの頃から自らの将来、キャリアについて考えられるような『キャリア教育』」
☆「ワーク・ライフ・バランス」という観点から「仕事だけではなく、趣味を持って余暇を有意義に過ごすことや、家族との団欒の時間を大切にするといった観点の『キャリア教育』」

の充実を今後も図っていきたいと考えております。

「ISK キャリア教育」で育む職業観・勤労観の目指すところ

将来、社会人として、時代をリードする人財育成に向けて(人財の「財」は「宝」という意味です。)

  1. スクールの学習と社会とを関連付けた教育(⇒コラボレーションした教科教育の充実)
  2. 社会人としての基礎的資質、能力の育成(⇒道徳教育・全人教育の強化)
  3. 自然体験、社会体験の充実(⇒工場見学、仕事体験などの実施)
  4. 発達に応じた教育の継続(⇒低学年は慰問など、高学年は職業体験や大学での学習体験)
  5. 家庭、地域と連携した教育
    (⇒ご父母を講師として依頼、職場見学会の企画、地域のボランティア活動などへの参加)

スクールでは「キャリア教育」を社会科見学や職場体験だけと考えず、一生涯をかけてあらゆる人間関係の中で育んでいくべき教育であるととらえており、スクールでの挨拶の励行やクラスの係活動を頑張ること、また、家庭でご家族の仕事についてお話をすることや、将来の進学や夢について語り合うこと、更には、夢中になる物を発見して趣味を楽しむことも立派なキャリア教育であると考えています。

ISK スクール・キャリア教育の始まりは?

職場体験など、2018年から本格的に始まったISKキャリア教育ですが、その始まりは、そこから更にさかのぼって、2010年のことです。スクールでは、2010年からキャリア教育の一環として、「ワーキングタイム」という取り組みを行ってきました。この取り組みの目的は以下の通りです。

  1. 「働くことの大変さと達成感を味わう」
  2. 「お金の大切さを知る」
  3. 「親への感謝の気持ちを育む」

文字通り「働く時間」。スクール生は、当時、社会科や道徳、クラスタイムなどの時間を利用して、近隣の公園のごみ拾いやスクールバスの清掃、バザーの店番などを通して一生懸命働きました。

この取り組みの特徴は、本当に時給として子ども達に給料を支払うということです。(時給は10円~100円ほどでした。)一生懸命働いた子ども達には、スクールから給与明細書と共に現金で給料が支払われました。中には、1000円以上稼いだつわものもいました。

豚汁作りにやる気満々の1期生と2期生たち

お給料は、7月に行われていた宿泊学習の前に支払われ、そのお金を持って、皆でスーパーに買い物に行きました。これまでは、親から当たり前のように買ってもらっていたおやつを自分が働いて稼いだお給料で買いに行ったのです。

子ども達は、慎重に品定めをし、レジでは、給料袋から大切そうにお金を支払っていました。その時の子ども達の顔は輝いていました。

これでこのお話は終わりませんでした。余剰金があったのです。ある子は、数円、ある子は、数百円・・・みんなの金額を合わせると、数千円になることが分かりました。

当時の生徒会長を中心に、このお金をどう使うかがディスカッションされました。

ある子は、貯金するという意見、また、ある子は、おやつをもっと買いたいなど、様々な意見が交わされました。最終的には、生徒会長や高学年の「人のために、困っている人のために使いたい!!」という意見にみんな賛成し、意見がまとまりました。

当時、スクールにNPO法人を通してホームレスの支援活動を行っている講師がいて、皆のお給料を合わせて、食材を買い、各クラスで豚汁を作り、ホームレスの方々に召し上がっていただくということになりました。

みんなで心を込めて一生懸命豚汁を作り、それを教師でお届けしました。この時にスクール生が作った豚汁を食した方の一人の方は、この豚汁について、このように語ってくれました。

「あの時の豚汁は、今まで食べた豚汁で一番おいしかったし、感動した。小学生がこんな私のために、自分のお金を犠牲にしてくれていることに勇気をもらった。」

そして、彼は、その後、精神的な病を克服し、ご結婚され、社会復帰し、現在、素晴らしいご家庭を築いています。更に現在では、ホームレス支援のために、活動されています。スクール生の作った豚汁は、スクール生の労働した汗と思いがいっぱい詰まった豚汁でした。

スクールでは、この豚汁を「奇跡の豚汁」と呼んでいます。なぜなら、一人の人生を変えるきっかけになったからです。

これが、スクールキャリア教育の原点であり、スクール理念「人にしてもらって嬉しいことを、他者にも行う。」の実践です。

キャリア教育実施報告

2018 年~2022 年度までに実施したキャリア教育をレポート致します。

2023年~